はじめに:NISAだけで、本当に安心?
2024年に制度が刷新された「新NISA」は、多くの人にとって資産形成の第一歩となりました。
投資枠の拡充や非課税期間の恒久化など、魅力的な要素が揃っています。
しかし、2025年の経済環境は大きな転換期を迎えつつあります。
物価の高騰、金利の上昇、円安の進行、増税議論……。こうした要因を踏まえると、
「NISAだけに頼った資産運用では不安」
「“攻め”と“守り”のバランスを取りながら、資産全体を見直したい」
と感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、NISAを土台にしながら、どんな運用戦略を加えるべきか?
2025年以降の時代にマッチした、“攻めと守り”の資産運用の考え方と実践術をご紹介します。
1. NISAのメリットと限界をおさらい
まずは、2024年にリニューアルされた新NISA制度の基本と、限界を再確認しておきましょう。
✅ 新NISAの基本ポイント(2024年〜)
- つみたて投資枠(年間120万円)
- 成長投資枠(年間240万円)
- 合計1,800万円まで非課税で運用可(生涯投資枠)
- 非課税期間:無期限
これまでのNISAに比べて、はるかに柔軟かつ使いやすくなったのが特徴です。
❗ でも、NISAにも“限界”がある
- 為替や相場の影響は避けられない
→ NISAでも元本割れのリスクは当然あります。 - 税制以外のリスク(物価・為替・金利)には対応できない
→ インフレで物価が上がれば、NISA内の資産が目減りする可能性も。 - あくまで「口座の仕組み」であり、「運用商品」そのものではない
→ どんな銘柄を選ぶかでリスク・リターンは大きく異なります。
つまり、NISAは「スタートライン」にすぎないということ。
「資産運用=NISAだけやってればOK」ではなく、もっと視野を広げる必要があります。
2. 2025年の資産運用に必要な視点:リスク分散と資産構成
2025年の資産運用では、「攻めるべきところ」と「守るべきところ」をしっかり分けて考えることが重要です。そこで注目すべきが、「アセットアロケーション(資産配分)」です。
🔸おすすめの資産配分モデル(例)
資産カテゴリ | 配分の目安 | 特徴 |
---|---|---|
株式(国内・海外) | 40〜60% | 成長性大。ただし価格変動あり。 |
債券(国内・外貨) | 10〜20% | 安定資産。リスクヘッジにも◎。 |
現金・預金 | 10〜30% | 緊急時の生活費用として確保。 |
オルタナティブ資産(不動産、金など) | 5〜10% | インフレ・為替リスクに対応。 |
※あくまで目安。年齢・家族構成・収入により調整が必要です。
このように、NISAを“中心”に据えながら、他の運用先やリスクヘッジ手段をどう組み合わせるかがカギとなります。
3. “攻め”の資産運用:成長性を狙う戦略
✅ 株式投資(国内・米国・新興国)
- NISAでは米国株(S\&P500やNASDAQ100)なども人気。
- 2025年もテック系、インフレ対策銘柄が注目。
- 一括投資ではなく、時間分散が基本(ドルコスト平均法)。
✅ REIT(不動産投資信託)
- 不動産価格の上昇を活かす選択肢。
- 配当利回りも高めで、インカムゲインを狙える。
✅ 外貨建て資産
- 円安時代のリスクヘッジに有効。
- 米ドル・豪ドル建てのETFや債券も検討価値あり。
👉 “攻め”の資産は、将来の資産を大きく育てる原動力。
ただし、短期の上下に一喜一憂せず、長期・分散・積立をベースに。
4. “守り”の資産運用:リスクヘッジと安定運用
✅ 債券・定期預金
- 元本保証+利息ありで安定資産。
- 2025年は金利上昇の可能性もあり、国債なども選択肢に。
✅ 金(ゴールド)
- インフレや地政学リスクに強い資産。
- 金ETFや純金積立などでも購入可。
✅ iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 税制優遇を受けつつ長期運用できる制度。
- 将来の年金対策として“守りの資産”に。
👉 “守り”の資産は、万が一のための安心材料。
現金だけでは目減りしてしまうので、価値を維持する資産への分散が重要です。
5. 実践編:NISA+αで始める具体的な組み合わせ例
以下は、年代別におすすめの“攻めと守りの組み合わせ例”です。
🧑💼 20代・30代(運用期間が長い)
- NISA:米国株インデックス投資(S\&P500など)60%
- 債券ETF or 現金:20%
- ゴールド or REIT:10%
- 外貨建て定期 or 投信:10%
→ 長期的な成長を重視。守りは最低限でOK。
👨👩👧👦 40代・50代(家計バランス重視)
- NISA:株式・バランス型投信 50%
- 定期預金 or 国債:20%
- iDeCo:15%
- 金・REITなど:15%
→ 攻めと守りのバランス型。教育費・老後資金も意識。
👵 60代以上(退職後/年金世代)
- NISA:債券中心 or 配当株ファンド 40%
- 定期・国債:30%
- 金・外貨建て債券:15%
- 現金:15%
→ 資産保全重視。流動性とリスク低減を意識。
6. まとめ:これからの資産運用は「多層防御」がカギ
2025年の資産運用では、「ひとつに偏らない」ことが大原則です。
NISAはあくまで“入り口”。大切なのは、その先にどう資産を組み立てていくか。
✅ この記事のまとめ
- NISAは強力だが、万能ではない
- 「攻める資産」と「守る資産」を明確にする
- アセットアロケーションでバランス運用
- 個人のライフスタイルに応じた配分が大事
大切なのは、今の行動が未来を変えるという意識を持つこと。
NISAを起点に、2025年からの資産運用をもう一段階アップデートしてみませんか?